2012/1/1
連結財務諸表とは、支配従属関係にある2つ以上の企業からなる集団(企業集団)を単一の組織体とみなして、親会社が当該企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を総合的に報告するために作成するものです。
連結財務諸表では、親会社と子会社、子会社同士といった連結会社間の取引は消去されます。
たとえば、親会社が子会社に不動産を売却して、親会社の単体決算上で多額の利益を計上したとしても、連結財務諸表では、当該売買はなかったものとして会計処理されることになります。
連結決算は以下の手順で行います。
連結子会社から連結決算に必要な情報を収集します。
この情報には、連結子会社各社の決算書データのほか、連結会社間の取引などが過不足なく含まれている必要があります。
そのため、連結決算を行う会社は通常、連結子会社から標準報告フォーマット(「連結パッケージ」と呼ばれます)による情報収集を行っています。
収集した連結子会社の決算データから、親会社との会計方針の統一が必要な項目があれば、各社の決算データを連結決算上で修正します。
また、連結子会社決算データに明らかな誤りがある場合、本来であれば、連結子会社の決算データそのものを修正するのが適切ですが、時間的な問題などでそれが難しい場合、連結手続上でのみ決算データの修正を行うことがあります。
必要な補正を行った連結子会社と親会社の決算書を合算します。
その後、連結会社相互間での取引や資産・負債残高を消去する連結仕訳を行います。
連結仕訳には次のようなものがあります。
決算書の合算と連結仕訳は連結精算表を作成して行います。
連結精算表は、市販の連結会計ソフトの他に、エクセルなどの表計算ソフトを利用して作成することもできます。
連結財務諸表を作成し、開示することは上場会社など一定の会社のみに義務付けられています。
しかし、例えば、製造を海外の子会社で行い、日本の親会社は販売と子会社管理といったように役割を分担している場合、連結ベースで業績を把握しないと、適切な経営管理は行えません。
必要な情報を子会社から適切に収集する仕組みさえ構築できれば、連結財務諸表の作成はそれほど難しいものではありませんので、非上場会社でも経営管理にとりいれる価値があります。