2012/1/1
固定資産の減損とは、資産の収益性の低下によって投資の回収が見込めなくなった状態であり、そのような場合に一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように固定資産の帳簿価額を減額する会計処理を減損処理といいます。
減損損失の認識と測定は次のステップで行います。
資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象を減損の兆候といいます。
固定資産の減損会計の適用に当たっては、まず、資産又は資産グループに減損の兆候があるかどうかを識別します。
減損の兆候としては、例えば次の事象があるとされています。
減損の兆候があると判断された場合に、減損損失の認識が必要がどうかの判定を行います。
減損の兆候がある資産又は資産グループについて、これらが生み出す割引前将来キャッシュ・フローの総額が、これらの帳簿価額を下回る時には、減損損失を認識します。
減損損失の認識が必要と判断された場合に、減損損失の測定を行います。
減損損失を認識すべきであると判断された資産又は資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として当期の損失に計上します。
なお、ここでいう回収可能価額は、「1.売却による回収可能額である正味売却価額(資産又は資産グループの時価から処分費用見込み額を控除して算定される金額)」と、「2.使用による回収額である使用価値(資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)」のいずれか高い方の金額になります。