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2012/1/1

セグメント情報

セグメント情報とは

企業は事業ごとの売上高や利益などの情報を、財務諸表の注記として定期的に開示することが求められており、この注記を「セグメント情報」といいます。
多数の事業を営んでいる会社でも、損益計算書や貸借対照表そのものは各事業の合算値でのみ表示されますが、セグメント情報ではそれを各事業ごとに細分化して把握・分析することができるため、投資家にとって非常に重要な情報となります。

報告セグメントの決定手順

セグメント情報の注記において、開示すべき事業区分を「報告セグメント」といいます。
報告セグメントは以下の手順で決定されます。
「事業セグメントの識別  ⇒  事業セグメントの集約  ⇒  報告セグメントの決定」
この内容を簡単に説明すると次の通りです。

事業セグメント

事業セグメントとは、企業の構成単位のうち、以下の要件すべてを満たすものをいいます。

  • 収益を稼得し、費用が発生する事業活動にかかわるものであること
  • 企業の最高経営意思決定機関が、当該単位に配分すべき資源に関する意思決定を行い、また、その業績評価のために、その経営成績を定期的に検討するものであること
  • 分離された財務情報を入手できるものであること

報告セグメント

事業セグメントから報告セグメント(開示すべきセグメント)を決定します。

  1. 事業セグメントを集約
    複数の事業セグメントが次の要件すべてを満たす場合には、当該事業セグメントを1つの事業セグメントに集約することができます。
    • 当該事業セグメントを集約することが、セグメント情報を開示する基本原則(セグメント情報は、財務諸表利用者が企業の業績を理解し、将来のキャッシュフローの予測を評価できるよう適切な情報を提供するものでなければならない)と整合していること
    • 当該事業セグメントの経済的特徴が概ね類似していること
    • 当該事業セグメントの各要素(製品・サービスの内容等)が概ね類似していること
  2. 集約した事業セグメントから量的基準により報告セグメントを決定
    上記「1」で集約した事業セグメントが、次の量的基準のいずれか一つでも満たす場合、当該事業セグメントは報告セグメントとされ、開示が必要となります。
    • 当該事業セグメントがすべての事業セグメントの売上高合計の10%以上であること
    • 利益又は損失の絶対値が、利益の生じているすべての事業セグメントの利益の合計額又は損失の生じているすべての事業セグメントの損失の合計額の絶対値のいずれか大きい額の10%以上であること
    • 資産が、すべての事業セグメントの資産の合計額の10%以上であること なお、上記の量的基準に満たない事業セグメントでも、企業が積極的に報告セグメントとして開示することができます。

セグメント情報として開示すべき項目

セグメント情報としては、以下の項目を開示します。

報告セグメントの概要

ここでは、報告セグメントの決定方法と各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類を開示します。

報告セグメントの利益又は損失、資産、負債及びその他の重要な項目の額並びにその測定方法に関する事項

ここでいう利益又は損失は、自社の最高経営意思決定機関に報告される金額に基づくものとされていますが、必ずしも財務諸表における営業利益や経常利益に限定されていません。
また、負債については、最高意思決定機関に対して定期的に提供され、使用されている場合にのみ開示します。

上記で開示する項目の合計額と財務諸表計上額との間の差異調整に関する事項

報告セグメントに帰属しない金額がある場合や、上記の通り、セグメント利益又は損失は財務諸表上の利益とは限らないことから、報告セグメントで開示する金額と財務諸表に計上されている金額との間に差異が生じる場合があります。
ここでは、その差異の内訳を開示することが求められています。

なお、四半期報告書でのセグメント情報の開示は、簡略化されており、上記の一部を省略した内容となります。

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