会計・税務コラム

決算の目的とスケジュール

2014/3/5

1.経営者にも決算に対する理解が不可欠

会社を経営していると、最低でも年に一度は行わなければならないのが「決算」です。
「決算は経理担当(又は会計事務所)に任せているから・・・」という経営者も少なくないと思います。
しかし、決算書は税務署、融資を受けている又はこれから融資を受けようとしている金融機関などにも提出され、経営者自身がその内容について責任をもって説明できることが求められます。
そこで、決算の目的と、決算ではどのようなことをいつまでにすればよいのかという点について簡単に解説します。

2.決算の目的

会社の1年間の活動の結果を数字として集計することを「決算」と言います。
決算の結果は、ご存じのとおり「決算書」として書類にまとめられます。
決算書は、次のような目的で利用されます。

1.経営者が自社の経営管理に役立てるため
『会社のことは経営者である自分が一番よくわかっている。』
これはその通りだと思いますが、実際に数値で把握することも経営管理上、大変重要です。決算によって、過去からの推移を概観し、経営分析指標をもとに自社の弱点などを客観的に理解することができるためです。一般に、決算といえば、以下の(2)(3)が最大の目的と考えられがちですが、一番重要なのはこの(1)なのです。

2.税金計算のため
会社は年に一度、「所得」を計算し、それをもとに税額を計算・納付しなければなりません。税金にはさまざまな種類がありますが、多くの税金は決算で集計した利益の額をベースに計算されますので、適切な税金計算のために決算が必要になります。

3.資金調達のため
多くの会社は金融機関からの融資を利用して資金調達を行っていますが、金融機関は貸出先の状況を定期的に把握するために決算書を確認します。また、新規に融資を受ける際にも決算の状況を重要な判断材料の一つとして利用します。経営者自身が自社の決算を自らのことばで説明できることが求められます。

3.決算の”to do”とスケジュール

一般的な決算は以下のようなスケジュールで進められます。
(上場していない会社を前提に目安を示したものですので、実際には各社の状況によって前後します。)

■決算日から3週間目頃まで
毎月定常的に行っている売上や経費の計上処理(月次処理)を行います。
月次処理に遅れやミスが生じると、これ以降の決算作業が遅延してしまいます。
決算月には、経費の精算や請求書の発行などをいつも以上に迅速かつ正確に行う必要があります。

■4週間目から5週間目頃まで
以下のような決算特有の会計処理(決算整理)を行います。

  • 固定資産の減価償却
  • 貸倒引当金の計上
  • 外貨建て資産、負債の為替換算替え
  • 税額の計算 etc

これら決算特有の会計処理の過程では、各勘定残高について、内訳データや在庫等の現物との照合などといった各種チェックを行います。チェック漏れのないようあらかじめ「決算チェックリスト」を作成しておくと安心です。
また、途中で会計事務所との打合せ等も必要になりタイトなスケジュールになりますので、事前にできるものはなるべく前倒しで準備しておくことが必要です。

■6週間目頃まで
決算書や税務申告書といった書類の体裁を整え、各種書類・数値間の整合性を再度チェックして最終化します。

■7週間目頃まで
税務申告書の提出・納付は決算日後2ヵ月以内が期限となっていますので、それに間に合うように書類の提出と税額の納付を行います。
決算書等の控えはしっかり整理保存し、必要な時にすぐに確認できるようにしておきます。

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